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浮気茄子栽培日誌

春夏秋冬毎日毎日連日連夜、届かぬ手紙を出し続けるのです。 それが無駄だと分かっていても。日々是片道切符の人生。 それもそれでいいじゃないか!

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ビターでスイートなシンフォニーだなあ。




宮部みゆき

淋しい狩人

火車

新潮文庫


なんだか、こうして読み返しておりますと、宮部みゆきの小説は、、、
かなり、、、哀しいお話が多いですね。
火車はやっぱりすんげおい超大作でしたが、切なかった!!

淋しい狩人も、小さな古本屋を舞台にした、老人イワさんと孫の稔がおりなす
人情ほのぼの短編集、てな印象が勝手にあったんですが、
こうして読み返すといやいやいや!全然違いました、、、
確かに会話はほっこり系?な感じでしたが、物語のベースはどれもこれも
かーなりどっしり切ないです。身につまされます。

いやはや、ビターでスイートでした。
あれですね、ザ・ヴァーヴの、ビタースイートシンフォニーな感じでした。
それが人生なのです。おお、リチャード・アシュクロフトと宮部みゆきが、
こんなところで交錯するとは。おもろいおもろい。

宮部みゆきの短編集は、連作もので魅力的な登場人物が多いですよね。
続編を書いて欲しい話が山のようにありますが、、、忙しいから無理か、、、
あ、「火車」、最近?韓国で映画化されたらしいですやん?
けっこう色々細かいところが変わってるらしいですが、見てみたい!
宮部作品の映画化で、問答無用の大傑作!てのはまだ無い気がします。
スティーブン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」が、
「ショーシャンクの空に」になったくらいの、空前絶後の大名作が誕生せえへんかなあ?

ああ、早く「ステップファーザー・ステップ」にたどり着きたい。
あれが個人的に、宮部みゆきのベストだと思うのですよね〜。
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宮部みゆきは、ハードボイルドなのかしら?





宮部みゆき

返事はいらない

龍は眠る

新潮文庫


とりあえず、新潮文庫ものをドカドカと読み進めておりますが、
あれですね、宮部みゆきって、ハードボイルドなんですかね?
そもそもハードボイルドって明確にどんなものを指すのかを理解していないので、
全然あってなくて的外れすぎるとは思うのですが、、、

この2冊、ひっさびさ~に再読したら、なんだかハードボイルドだなあ、と感じたのでした。

「卑しい街に、六月の雨が降り続いている。」

なんてもう、くうー痺れますね!かっちょええ!渋い!素敵!
こんな文章がビシッと登場する話ですが、主人公はOL。ふむう。
人が生きるということは、探偵じゃなくても誰でもハードにボイルされてるのですきっと。

あれですね、宮部さんって、優れた小説家でありつつも、もーあきれるほどに沢山の
沢山の小説を読みまくっている、優れた優れた読者なんだろうなあ。

「贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き」っていうですね、
宮部みゆきが選者となった、外国の名作ホラー短編集を集めた小説があるんですが、
これについている宮部さんの解説がもう素敵過ぎるんですよ。愛情ありまくりで。

本当に好きなものを、本当に心をこめて紹介する、ということは、素晴らしいなあ。
と、思うのです。小説どころか解説も素晴らしいなんて、凄いぜ宮部みゆき。

うむ、話がそれました。とにかく、上記の二つの作品を読んで、宮部みゆきは
ハードボイルドだなあ、と思ったのです。海外のハードボイルド小説ってこんなんかしらん?
とか思いながら、読んだのでした。それにしてもね、「龍は眠る」は、ちょっと驚くほど
おもしろくてビビッた。どえらい小説でした。どこがハードボイルドと感じたか?といいますと、
うーむ、、、文体?会話?何故かしらハードボイルドと感じたのです。ハードボイルドって何?
わかりません、、、

あれだ、「誰か」と、「名も無き毒」も、穏やかなハードボイルドだなあ、とか思った
記憶がありますが、ハードボイルドに穏やかってあるの?ハードなのにマイルド?
なんじゃそりゃ、となってしまいました。定義って、難しいですね、、、
なんとなく、なんとなく、ですね。うーむ、こんなんですみません、、、
とりあえず、宮部みゆきはおもろいぞ、と。素敵だぞ、と。どんどん読んでいこう。

レベル30まで行ったら、きっともっと戻れない。



レベル7

宮部みゆき

新潮文庫


なんだか、初期の新潮文庫の宮部さんの作品って、表紙のイラストが藤田新策さんでは
ないのですよね。新鮮だ。途中から、新潮文庫の宮部作品の表紙といえば藤田新策!
という感じがしますので。うむ、この時期の新潮文庫作品を手に取ると、なんだか新鮮です。

平成2年に発表された作品みたいですね。20年以上前ですか、、、凄いなあ。
やはりこれも、読んでても全然古さを感じないのは、、、何故かしら。
自分の頭が成長止まっているからかしら?

でもあれです。ネットや携帯電話や地上波デジタル放送やらから遠く離れた時代の
作品でも、まるで先日発売した宮部みゆきの最新刊みたいな感じで新鮮に読めるのは、
何故かしら?不思議不思議。宮部さんの文章が古さを感じさせないというか、
なんというか。うーむ。不思議不思議としかいいようが、、、ないかなあ。とりあえず不思議。

お話の内容はといいますと、どえりゃーいろんなもんが詰め込んであってお腹いっぱい。
いやー凄いです。交互に語られる二つのストーリーが、じわりじわりと結びついていく
展開の流れはやっぱドキドキしますね。どーなるのどーやって繋がるの!?と、
やきもきしつつ、稀代のストーリーテラー、宮部みゆきの紡ぐ物語に身をゆだねる快感。
うーむ素敵なのです。

とあるおもろいストーリーがあったとして。
宮部みゆきは、そのストーリーを語るために登場人物を創造するのではなくて、
その登場人物を語るためにストーリーを存在させてる、気がするんです。
物語を物語るのが主ではなく、登場人物を物語るのがあくまで主。そんな気がするのです。
全然見当違いだったらすみません、、、でもやっぱ宮部みゆき作品の登場人物は、
存在してる感が圧倒的なんだよなあ~。素敵だよなあ~。これがキャラ立ちってやつか?

「魔術はささやく」で、主人公の守くんが働いていたスーパー、「ローレル」がですね、
この話にも登場しました!おおーこんなところがリンクしてたんか!話の序盤で、
この話の主人公が買い物に行くスーパーがローレルなんですよ。関東にはたくさん
あるのか?ローレルが。そこで守くんは働いてたのか?主人公は本屋には立ち寄らへん
かったんですけどね。ちょっとそんなこと想像するとね。おもろいです。ニヤニヤしちゃう。
ドキドキしちゃう。そりゃスガシカオです。

あ、主人公に電話で情報を提供してくれた、元アル中患者の源さんは結局何者だったんだ?
めっちゃ重要人物か?と勝手に思ってしまいました、、、源さん、今いずこ?
どこでなんで主人公の電話番号知ったのよ?どうなのよどうなのよ?謎だ。
しっかりと立ち直って元気で暮らしておられますように。こんなところから祈るのみ。
あと、主人公の二人が名前を拝借した、とある邦画。カップル、紀夫・秀美が登場する
映画のタイトルは何なんだ。気になる気になる。なんの映画だったんだ?

しかしアレですね。レベル7まで行ったら戻れないようですが、
くるりは、レベル30にも飽きてきたようです。チームロック、ありゃ名盤だと思います。
召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか記憶を失うか。どうなってしまうのか?

魔術は叫ばず、ささやくのです。一人ずつに、ただ、そっと。



魔術はささやく

宮部みゆき

新潮文庫


なんとなんとなんと。この小説って、平成元年に出版されてるんですね。
24年前?25か?うはあ。四半世紀前ですか!クオーターですか!ビビる。

ひっさびさにひっさびさに再読して、全然内容を覚えていなかったので、
有り難いことに再び読書の楽しみを味わいまくり、みたいな感じです。おもろかった!

宮部みゆきの小説って、たいてい?ほとんど?冒頭に、他の小説の一文を
引用しますよね。それがかっこいい。素敵。これって、海外の小説の影響なのかしら?
別の作品の一文で、自らの作品のテーマを言い表してるようなものを探して、
冒頭に掲げる。他者の言葉で、自らを語ろうとする行為?

これってオマージュなんやろか?照れ隠しなんやろか?それとも遊び心?
単純に、単純に、小説が好きで好きで仕方ないから、自分の好きな言葉を選んで、
「わかる、これわかる!」という言葉を引っ張ってきて、「こんな思いで自分も書きました」
と言いたいから引用するんちゃうかなあ?それっていいですよね。純粋ですよね。
愛だろ、愛。うはあ。むかしなつかしのCMみたいだ。

あ、この文庫の最後の解説で、北上次郎氏が、「宮部みゆきは<愛の作家>だ」という
ことを言っておられまして、うへえ~凄いなあホンマそうやなあ、と至極納得しました。
作家デビューの時からずっと、宮部みゆきは愛の作家だったのだ。
愛のある正義の作家?というか。とにかくね、素敵なのですよね。愛だよなあ、愛。

で、この作品ですが、まあ内容は文句なしにおもろかった!すげえぜこれ。
今読んでも、全然古さを感じないのは何故かしら?僕の頭が止まってるだけか、、、
催眠暗示とかサブリミナル広告とか、この2013年の現代社会ではどれだけ
通じるネタなのかどうか全然わからないのですが、とにかく文章が全然古びてない、
ように、感じるのです。僕は。すげえよ宮部みゆき。素敵過ぎるよ。

文章が、まるで、目に飛び込んでくるみたいなんです。
なんでこないに容易に情景が浮かぶのか。本当に、凄い。喚起力が。
「スナーク狩り」も、まるで小説読みつつ映画観てる、みたいなバッシバシの
エクスタシーを感じたのですが、これも凄いね。こんなに凄かったんだねえ。
ドラマ化されてるみたいですね。観たい!観たい!レンタルショップにあるのか?

吉田修一の「悪人」は、小説も映画も大好きなんですが、あんな感じの幸福な融合に
なってたらいいなあ~と思うのです。
宮部みゆきのとんでもない小説が、これまたとんでもない映画やアニメになったら、
そりゃもう日本のエンタテイメントの至福の宝だと思うのです。
でも、自分だけがこの楽しさをわかっていればいいや、と思う矛盾した気持ちもあるし。
くう、罪作りであります宮部みゆき。でもとにかくおもろいからやっぱ広く人口に膾炙せな、ね。
ってか、もうしてるか。宮部みゆきは国民作家としての地位を確立しているや否や?
してると思うのですが、、、どうか?うーむ。どうなんでしょうね?

あと、タイトルがいいですよね~。魔術は「ささやく」のですなあ。
読後、その意味がわかる?というかわかった気になっているのですが、そう、ささやく。
ハイロウズのヒロトが、「二匹のマシンガン」の歌詞で、
「悪魔は叫ばない。ささやいているだけ」と歌っていましたが、そんなところとリンクしたのです。
全然完璧に方向性が無茶苦茶でんがな、、、ですが、、、
自分の中ではリンクしちゃったのでしょうがない。宮部みゆきもヒロトも凄いぜ素敵だぜ。

とにかくとにかく、自分のなかでは全く古さを感じず。これぞ読書の至福だぜ、を、
存分に味わえる一作でした。再読できて良かったなあ。感謝感謝。

ありとあらゆる領域を書き続ける作家。



英雄の書

宮部みゆき

新潮文庫


いやはや、ドキドキしつつ読み進めました。宮部みゆきの小説はやはり、
大好きです。今回はこんなんだったかー。なるほどなるほど。

ブレイブストーリーや、ドリームバスターや、イコの系譜の小説でしたかね?
ファンタジーでした。てっきり、ファンタジーを装いつつも超能力を絡めつつも
現実のリアルな社会を描写していく、クロスファイアや、龍は眠るや、
楽園の方向性を期待していたのでちょっとびっくりしましたが、、、
思いのほか、どストレートのファンタジー小説でした。

物語のありよう、物語という存在そのもの、何故に人間は物語を創造する存在なのか?
という根源的な命題に、真摯に誠実に向かい合った作品だなあ、と。
宮部みゆきは、やはり真面目で、まっとうで、優しいひとで、でもでも、
どうしようもない現実もしっかり知っていて、このうえなくストレートの怒りを、
表現できる。純だ。真っ直ぐだ。素敵だなあ。これが好き!ということを、
全然照れずに全力で書いている感じ?やっぱ、藤田和日郎とカブるのです。

「無名の地」という、なんとも魅力的な舞台を想像した訳ですので、
この1シリーズのみで終わらすのは勿体なさすぎる世界観だなあ、と。
宮部さんが続編を書く余裕がないのならば、この世界観を他の作家さんと共有して
色んな人がこの世界観をベースに小説書いたらいいのになあ、とか思いました。
ブレイブストーリーの世界観もそうなんやけどんねえ。
「咎の大輪」とか、いやーワクワクする設定よねえホンマ。

マンガの銃夢のクズ鉄街とかね。映画のシン・シティとかね。
あとは、テーブルトークRPGのソードワールドとか?舞台が魅力的なものは、
製作者が特許みたいなんをもってあとはみんなの共有財産みたいにできへんもんかねえ?
いやまあ、宮部さんがドカドカ続編を書いてくれたらいいんやけども、
でもやっぱ個人的好みでは、宮部みゆきは現代ものが好きなので。

上巻途中までの、ゲームのRPGの世界観、設定をなんとか現実の現代社会の中で
矛盾せずに成り立たせたい、と、奮闘した跡?みたいなんが好きです。
魔法のローブを身につけたら主人公はお腹が空かないんですよ。
だからゲームでも食事の描写がないんですよ、みたいなね。
魔法で他人に変身したときに複製された携帯電話で通話すると、
ケータイ料金は誰に発生するの?と疑問に思う描写とかね。
うわーっ宮部みゆき真面目すぎ!気にするんやそこを!みたいなね。
ホンマ、そこを全部理詰めで納得させられていたら、どえらいことになってたよ。

いやしかし、宮部みゆき。現代物。時代物。ファンタジー物。
縦横無尽の創造力は尽きるところを知らぬのか。ホンマ素晴らしい。
で、どシリアスもほんわかものも切ない系も、なんでもござれでしょ?
しかもリアルタイムで新刊が出続けている。まさに現代の奇跡です。感謝。

プロフィール

HN:
スズキスー
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1978/03/13
職業:
ひっそりと生きたい
趣味:
献血
自己紹介:
ヨコシマンズのすちゃらかヘッポコギター担当、スズキスーと申します。牛歩より遅い速度でギターを学んでおりますよ!どっちかというと退化してますよ!浮気なナスでもいいじゃないか。そんな日々をすごしております。

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