俺には~癖がある~両手じゃ~抱えきれない~ということで、呆れるほど沢山の悪癖を持つわたくしですが、そのなかの一つがこれ。
自分がつまらないと思う映画ほど他人に薦めたくなる
です。これはねえ、治りません。『あの映画、最高につまらん!だから観なきゃダメだよコースケさん!』と、ベース担当のコースケ氏に何度も薦めては彼は観てくれません。ちぇっ。
でも、これは決して、
『俺だけがつまらん映画を見て時間を無駄にするのは癪だなあ。アイツも嫌な目に合わせてやれウヒヒ』
という貧しい心の発想では断じてない!
『わたしでは残念ながらこの映画の魅力を理解することができなかった。これもひとえにわたしの不徳のいたすところ。だが彼ならば、彼の者ならば、この映画の真の魅力、監督が真に伝えようとした思いを理解できるのではなかろうか!?』
という反省悔悟慚愧慟哭の念から、わたしはつまらない映画を他人に薦めるのです。本当ですこの気持ち。なんでそんなことを思うようになったかといいますと、話は学生時代に遡ります。
わたしは、『ショーシャンクの空に』という映画が心の底から大好きでして、基本的常に心の洋画ナンバー2なんです。ちなみに基本的常に心の洋画ナンバー1は、『レクイエム・フォー・ドリーム』です。まあ、結構コロコロ入れ替わるユルい順位です。
あ、邦画ならば、やっぱりなんといっても『ゆれる』でしょ。あの映画のオダギリジョーは宇宙一オトコマエ。ヤヴァいです。『鮫肌男と桃尻女』も良いですなあ。あの浅野忠信はやっぱりヤヴァいです。キタノ映画だと、『あの夏一番静かな海』ですかね?いかん止まらん。止めます。で、学生時代のバイト先にてバイト仲間の一人が、
『ショーシャンクの空に、の良さが全く分からん!』
と言う発言をしたんですね。以下映画の内容のネタバレを含んでおります!映画未見の方は読まない方が良いです!
そのバイト仲間曰わく、
『主人公が刑務所を脱獄して終わる映画なんやろうな~と思いながら観てて、それじゃあまりにヒネりがないから何かビックリする展開があるんやろうなあ~と思いながら観てて、あっさり主人公が脱獄して終わったんで唖然とした』
んだそーです。
え、まぢ!なにその感想!?意味分からんホンマ意味分からん!と思ったのですが、同時に、いや~映画の見方と感動の有り様って真実十人十色なんだな、と感心しました。
あなたが真に感動するものと、私が真に感動するものとは全く別なのです。この価値観の相違。決して越えられない溝。同じ人間なのに。いやあ、深い。おもろい。
あの経験が、私の映画の見方の一つの指針となったことは間違いありません。貴重な貴重な意見でした。だからわたしは、今日も明日も、自分にとってつまらない映画を他人に薦め続ける日々を送るのです。勿論、自分の好きな映画も他人に薦めまくる日々も続くのです。平たく言うと、はた迷惑なお節介野郎です。皆さん!スズキスーの前で映画の話をしたらダメだ!
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